
今回の発言は、過去10年間でも最大級の新興国市場の下落が見られるなかで行われた。1月31日にはインド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁が、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策について批判を口にしていた。同総裁はこの中で、金融の国際協調は「崩壊している」と述べた。ラジャン総裁は、通貨や債券および株式市場の混乱に振り回されている多くの新興国と同様に、国際資本市場の混乱の主因は先進国の中銀にあると指摘した。FRBが債券購入策の段階的縮小に向かっていることを受け、発展途上国の持続的な高成長率に対しすでに懸念を抱いていた投資家が売りを浴びせた。
FRBは先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で債券購入策の追加縮小を発表したが、新興国市場の混乱については言及しなかった。ラガルド専務理事は、この10年間で世界的に金融および貿易の連携が高まったうえ、主要新興国が台頭したため、各国のより緊密な協調が必要だとし、「新たな多国間協調」を呼びかけた。同専務理事は「このように閉じた迷宮の中では、極めて微小な緊張でも増幅され、世界中に響き渡る。それも瞬時のうちに、予想できないゆがみや変化を伴った形となることが多い」と指摘し、「集中を可能にする経路は汚染を媒介する恐れもある」と語った。

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