昨年は相場全体の流れのなかで、ドルやユーロなどいづれかの先進国通貨が必ず強含んでいる状態があったが、足元では円も含めてどれも重さを感じさせている。逆にブラジル・レアルを筆頭に新興国通貨や資源国通貨が買い戻されている。一番の原因は新興国懸念の後退や、一時期に比べて中国の景気下振れ懸念が和らいできたことが背景にあるのだろう。イエレン議長体制下の米連邦制度理事会(FRB)の政策スタンスが徐々に浸透してきたことで、米国の緩和的な政策運営が続くとの見方もあるためか、現状はポジション調整の動きがこうした流れを醸成しているのだろう。
もっとも、ドル円は現状の水準あたりから次第にしっかりしてくるのではないか。米金利の低下でドル円には下押し圧力がかかったが、先週発表された米雇用統計の内容は想定以上に強く、明日のFOMC議事録や今後の米経済指標の結果を眺めながら金利が緩やかに上昇していくなか、ドル円は中長期的に高値を更新していくと想定する。IMMのポジション動向をみても、円のショートはさほど積み上がっておらず、主要8通貨を合成したドルの投機筋の建玉も現状はほぼニュートラルに近いため、ここからの調整余地は限定的で緩やかにドルが買われていく展開を見込んでいる。


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